![]()
「家族信託なら私文書で安く済む」は本当か?
ネットで家族信託のことを調べていると、DIYで、こんな情報を目にしませんか?
- 家族信託に公正証書は義務ではない
- 私文書でも法的に有効な契約になる
- 公証役場への費用を節約できる
これらは、法律の条文だけ見れば、確かに間違いではありません。
しかし、実際は・・・
「法的に有効であること」と「実務で使えること」は、全く別の話だ!
ということです。
結論から言うと、私文書だけで作成した家族信託の契約書は、銀行窓口で「お取り扱いできません」と拒絶され、法務局での登記手続きでも専門家から断られるケースが後を絶ちません。
そして、もし、その状態で親の認知症が進行してしまったら・・・
「今から公正証書を作り直そう」と思っても、もう手遅れです。認知症になってしまったら、法律上、新たな契約は結べません。
つまり、コスト節約のつもりで選んだ「私文書」という選択が、最悪の場合、数十万どころか600万円規模の経済的損失と、実家資産の完全凍結という取り返しのつかない事態を招く可能性があるのです。
この記事では、私が実際に調べてみて分かった「公正証書なしで家族信託を進めることの実務的リスク」を、銀行・法務局・証拠能力という3つの観点から具体的に解説しています。
家族信託は「公正証書なし(私文書)」でも契約できるのか?
【結論】法的には有効だが、実務上は「未完成」の契約になる可能性が!
家族信託の契約そのものは、法律上「当事者間の合意」があれば成立します。そのため、必ずしも公正証書を作成しなければならないという法的義務はありません。親(委託者)と子(受託者)が署名捺印した契約書(私文書)であっても、法的には有効な契約として扱われます。
しかし、私が実家対策を調べる中で分かった客観的な事実は
「法的に有効であること」と「実務で使えること」は全く別物
ということでした。
私文書による契約は、後述する銀行の口座開設や不動産の登記手続きといった、家族信託を実際に機能させるための実務において、通用しないケースがほとんどなんです。
つまり、実務の観点から見れば、私文書の家族信託は「未完成の契約書」となってしまうのです。
なぜ多くの人が「私文書」で済ませたいと考えるのか(費用の心理的ハードル)
そもそも、なぜ公正証書ではなく私文書で済ませようと考えるのでしょうか。
その最大の理由は、やはり初期費用の負担です。
公正証書を作成するためには、公証役場へ支払う「公証人手数料」が発生します。この手数料は信託する財産の評価額に応じて変動しますが、数万円から十数万円かかるため、決して安い金額とは言えません。
- 家族間の契約なのだから、自分たちで署名捺印するだけで十分ではないか
- わざわざ高いお金を払ってまで公証役場を通す必要はない
そう考えるのは、費用を抑えたいという心理からすれば自然なことです。
しかし、この初期費用を惜しむことで、将来的に大きな実務上の壁に直面し、結果的に信託契約そのものが機能不全に陥るリスクを抱えることになってしまうのです。
公正証書にしないことで直面する「実務上の3つの壁」
1. 金融機関の壁:信託口口座の開設を拒絶される現実
家族信託において、親の財産(現金)を管理するためには、受託者である子名義の「信託口口座(しんたくぐちこうざ)」を開設するのが一般的です。
私が調査した限り、現在ほとんどの金融機関では、この信託口口座を開設するための必須条件として「公正証書で作成された信託契約書」の提出が求められます。
私文書の契約書を持参しても、「当行の規定により、公正証書でないとお取り扱いできません」と窓口で拒絶されるケースが後を絶ちません。
口座が開設できなければ、親の現金を適切に分別管理することができず、事実上、資金面での信託運用が行き詰まってしまう、という危険性があります。
2. 法務局の壁:不動産登記の手続きで「本人の真意」が疑われるリスク
実家などの不動産を信託財産とする場合、法務局で「信託登記」を行う必要があります。
登記手続き自体は、私文書の契約書であっても法律上は受け付けられます。しかし、私文書では「親本人の真の意思に基づいた契約であるかどうか」を客観的に証明できないため、専門家(司法書士など)に依頼しても、「本人の意思を確認できない」という理由で、その依頼を断られるリスクがあります。
また、法務局側でも、本人確認や意思確認の証拠能力が低い私文書を用いた登記には慎重な姿勢をとります。もし将来、親族間などで「親の判断能力が低下してから無理やり書かせたのではないか」といった疑義が生じた場合、私文書ではその疑いを覆す強力な証拠を提示できず、手続きが難航する原因になり得ます。
3. 証拠能力の壁:判断能力が十分だったことを客観的に証明できない
公正証書は、公証人という法律の専門家が、親本人の意思能力や判断能力を直接確認した上で作成する公文書です。そのため、「契約当時に間違いなく本人に十分な判断能力があった」という極めて高い証拠力を持ちます。
それが私文書となると、第三者の客観的な確認を経ていないため、数年後に親の認知症が進行した際などに「本当に契約内容を理解して署名捺印したのか」という証拠力において致命的な弱点を抱えます。
この証拠力のなさこそが、前述した金融機関や登記の手続きにおいて、私文書が「実務上使えない契約書」とみなされる根本的な原因となってしまうのです。
銀行が「公正証書」を絶対条件にする理由
振り込め詐欺対策と「本人確認」の厳格化
なぜ銀行はこれほどまでに公正証書にこだわるのか調べてみたところ・・・
その背景にあるのが、昨今の厳しい金融規制と本人確認の徹底です。
いわゆる振り込め詐欺やマネーロンダリングなどの金融犯罪を防ぐため、銀行は口座を開設する人物の身元や、その開設目的を極めて厳格に審査するようになりました。
家族信託の口座開設においても例外ではありません。
親の財産を子が管理するという特殊な口座を作る以上、銀行側は
親本人が本当にそれを望んでおり、口座の開設目的に不正がないかどうか
を確実に確認する義務があるのです。この確認手続きのために、銀行にとって最も確実な証明書が公正証書なのです。
私文書では防げない「名義貸し」や「偽造」のリスクへの警戒
銀行が私文書を拒絶するもう一つの理由は、文書の偽造や不正利用のリスクを排除するためです。
私文書は、極端に言えば市販の印鑑と用紙さえあれば、誰でも外形だけは整えることができます。そのため
- 子が勝手に親の署名を偽造したのではないか
- 親が契約内容を理解していないのにハンコだけ押させたのではないか
という疑いを、銀行の窓口担当者だけでは完全に払拭することができないのです。
万が一、偽造された私文書に基づいて口座を開設し、それが後で親族間のトラブルや犯罪に発展した場合、銀行側も管理責任を問われる恐れがあります。
そのため、このような実務上の重大なリスクを避けるために、公証人という国家機関に準ずる第三者が関与した公正証書のみを、有効な契約書として取り扱っています。
銀行が認める「信託専用の財布」を作るための必須条件
家族信託に使用する信託口口座(しんたくぐちこうざ)は、単なる子名義の通常の口座とは性質が異なります。
万が一、受託者である子が自己破産したり、先に亡くなったりした場合でも、信託口口座にある親の財産は差し押さえ等の対象から外れ、保護されるという特殊な法的効力を持っています。いわば、銀行が公式に認める「信託専用の守られた財布」です。つまり、法的に「別人格」扱いとなるものです。
このような強力な保護機能を持つ口座を開設させるにあたり、その根拠となる契約が「実態の不確かな私文書」であっては、銀行としても口座の安全性を担保できません。
そのため「公正証書の作成」は単なる形式的なルールではなく、親の財産を安全に管理するための特殊な財布を銀行に用意してもらうための、必須の通行手形と言えるのです。
調査してわかった、公正証書を「ケチる」ことへの代償
認知症発症後に「契約が無効」と判断されたらどうなるか
もし、初期費用を惜しんで私文書で家族信託の契約を作成し、その後、親の認知症が進行してしまったらどうなるのか。
いざ実家の売却や大規模な修繕が必要になった段階で、銀行や法務局から
この私文書の契約書では手続きを進められません
と窓口で拒絶される事態に陥いる可能性が大です!
この時点で「では、今から公正証書を作り直そう」と考えても、時すでに遅しです。
親の判断能力がすでに失われている状態では、新たに公正証書で信託契約を結び直すことは法律上不可能です。つまり、私文書の不備によって実務の手続きがストップした瞬間に、家族信託そのものが完全に手遅れとなり、親の財産は実質的に凍結されてしまいます。
結局「成年後見制度」を使わざるを得なくなる経済的損失(10年で600万の差)
家族信託が実務上機能せず、親の財産が凍結された場合、残された唯一の法的解決策は「成年後見制度」を利用することです。
しかし、これが結果的に取り返しのつかない大きな経済的損失を生むことになります。私が調べたところ、親族以外の専門家(弁護士や司法書士など)が後見人に選任された場合、親が亡くなるまで毎月数万円(月額2万円〜6万円程度)の報酬を継続的に払い続けなければなりません。
仮に月額5万円の報酬が10年間続いたとすると、総額で600万円もの費用が親の財産から消えていく計算になります。
初期費用の数万円から十数万円をケチって私文書にした結果、その何十倍もの出費を強いられ、さらには実家の売却といった柔軟な財産管理すらできなくなるというのが、直面しうる最大の代償です。
公正証書費用は「将来の凍結を防ぐための保険料」と考えるべき理由
このように、実務の現場を深く知れば知るほど、「家族信託を私文書で済ませる」という選択肢はあり得ないことになります。
目先の初期費用を抑えるために私文書を選ぶことは、例えるなら「保険料をケチって無保険で車を運転する」のと同じくらいリスクの高い行為と言わざるを得ません。
*下図は家族信託の「おやとこ」初期費用の一例です。

公正証書を作成するための公証人手数料は、決して無駄な出費ではありません。
確実に親の財産を動かせる状態を担保し、将来の口座凍結や数百万単位の後見人報酬という最悪の事態を防ぐための保険料
だと私は考えています。
実家を守るという本来の目的を達成するためには、この公正証書にかかる費用は必要不可欠な初期投資だと私は思います。
失敗しない家族信託へのステップ
公正証書作成を含めた「おやとこ」の標準的な手続きフロー
ここでは、私が最終的に選んだ家族信託の「おやとこ」を例にとって説明します。
私文書による実務上のリスクを完全に排除するためには、最初から公正証書の作成を前提とした手続きを進める必要があります。私が実際に調べて依頼した家族信託の専門サービス「おやとこ」では、この公正証書の作成が標準的な手続きフローにしっかりと組み込まれています。
具体的には、まず親子の希望を丁寧にヒアリングして信託契約の原案を作成し、その内容が法律的にも実務的にも問題がないかを専門家が精査します。
その後、その原案をもとに公証役場と連携し、最終的に公証人の面前で正式な公正証書として契約を締結するという流れです。
この一連のワークフローを経ることで、後から銀行や法務局で手続きを拒否されるという最悪の事態を未然に防ぐことができます。
専門家が公証役場との調整を代行するメリット
公正証書を作成する際、自分たちだけで公証役場へ出向き、ゼロから手続きを進めるのは想像以上にハードルが高い作業です。別の仕事で以前公証役場で作業をした記憶がありますが、かなり難しかったです。
公証人との専門的な法律用語を交えた打ち合わせや、要件を満たすために何度も書類を修正するやり取りは、素人にとって大きな精神的・時間的負担となります。
その点、専門家である「おやとこ」に依頼する最大のメリットは、この公証役場との煩雑な事前調整作業をすべて代行してくれることです。
私たちが公証役場へ足を運ぶのは、原則として契約締結の最後の一回だけで済みます。実務を知り尽くした専門家が間に入ることで、その後の銀行での口座開設や不動産の登記手続きを確実に見据えた、隙のない「実務で使える完璧な契約書」をスムーズに完成させることができます。
まとめ:公正証書は「家族の財産を動かすための通行手形」
実務を止めるリスクをゼロにするために
この記事でお伝えしてきたことを整理します。
家族信託の契約は、法律上は私文書でも成立します。しかし実務においては、銀行での信託口口座の開設、不動産の登記手続き、そして将来の意思能力をめぐる証明のすべてにおいて、私文書は決定的な弱さを抱えています。
公正証書がなければ、信託の仕組みはどれだけ完璧に設計されていても、実務の現場で完全に止まってしまいます。
「法的に有効な契約」と「実務で動く契約」の間にある溝を、公証人という第三者が確認したという事実だけが解決策になります。
公正証書とは、家族の財産を必要なときに確実に動かすための、唯一の通行手形なのです。かならず公正証書は作成しましょう。
公正証書にかかる初期費用はだいたい「数万円から十数万円」掛かります。これを惜しんだ結果として、成年後見制度となってしまうと、10年間で600万円規模の費用負担が発生するリスクがあることも忘れてはなりません。
目先のコスト削減が、後に取り返しのつかない大きな経済的損失に成りかねないのです。
まずは「自分のケースで公正証書が必要かどうか」を専門家に確認しよう
「公正証書が必要なのはわかった。でも、具体的に何から始めればいいのか」
そういう人は、まず専門家に相談するのが最も安全・確実な第一歩です。
私が実際に依頼した家族信託の専門サービス「おやとこ」では、無料相談の段階から「あなたの実家の場合、具体的に何が必要か」を丁寧に整理してくれます。
公証役場との調整という煩雑な実務もすべて代行してくれるため、私たちが公証役場へ出向くのは最後の契約締結時のみです。
親の判断能力がある今この瞬間だけが、家族信託を選択できる唯一のタイミングです。
「そのうち」と先延ばしにしているうちに、そのタイミングは本当に突然失われます。これだけは気を付けてくださいね。手遅れにならないように!
まずは無料相談で、自分のケースに必要な手続きをプロに確認することから始めてみてください。
※【重要】”無料相談”の申込み後「おやとこ」から本人確認のための電話が掛かってきますので、必ず電話には出てくださいね。この電話に出ないために話が進まないケースが多発しています。無料ですので必ず本人確認だけは行って下さい。押し売りの心配はありません(^o^)
契約書を作成するための「公正証書」以外の、さまざまなトラブルもあります。以下の記事で詳しくご紹介しています。
はじめに:情報は集まった。でも、全く動けない・・・ 深夜、スマートフォンの画面を見つめながら、そう気づいた夜がありました。 「家族信託」「後悔」「失敗」——検索窓に入力するたびに、不安を煽る記事が次々と出てきます。読めば[…]
こころのカンパニー㈱は、弁護士法人、司法書士法人、行政書士法人をグループ会社とする「士業」の会社で、年間で数千件の問合せがある、業界実績No.1の会社です。
資本金が18億円超えの大企業ですから、安心して家族信託の組成を任せられるうえ、費用もかなり安く抑えられると評判です。
無理な電話営業がない「無料相談」から始めてください。
| 会社概要 | |
| 商標名 | おやとこ |
| 会社名 | こころのカンパニー株式会社 (旧トリニティ・テクノロジー株式会社) |
| 資本金 | 18億2988万円 |
| グループ企業 | ■司法書⼠法⼈トリニティグループ ■弁護⼠法⼈トリニティグループ ■⾏政書⼠法⼈トリニティグループ |
