家族信託した不動産は売却できる?ローン残債と税金の仕組みを徹底解説

「信託さえすれば売れる」は、本当に正しいのか

「将来、親が認知症になっても、私が代わりに実家を売れるようにしておきたい」

私が家族信託に向き合った最大の動機は、まさにこれでした。
親の介護費用を捻出するために、実家を売却できる状態にしておかなければ・・・
一見、シンプルな話に思えます。

でも、いざ「信託した不動産の売却」について徹底的に調べ始めてみると・・・
見逃せない重大な事実が、いくつも出てきたのです。

  1. 住宅ローンが残っている実家を信託すると、金融機関への事前承諾なしには「ローン契約違反」になりかねないので要注意!
  2. 売却にかかる税金(譲渡所得税)の納税義務は、手続きをする受託者(子)ではなく、受益者(親)になる
  3. 売却のタイミングが「親の生前」か「死後」かによって、3,000万円特別控除の適用可否が変わり、数百万円の差が生まれる可能性がある

私のように「名義が変わるだけ」「信託さえしておけば安心」という軽い認識のまま進めてしまうと、いざという時に資金繰りが危機に陥ったり、想定外の税負担を負ったりする危険が待ち受けています!

これが、私が調べて見つけた問題点です。

結論として言えるのは、家族信託における不動産の売却は、

最初の契約設計の段階から出口戦略まで見据えた、緻密な準備があって初めて機能する

ということです。

この記事では家族信託における

  • ローンの取り扱い
  • 税金の仕組み
  • 売却代金の管理実務

について、順を追って解説していきます。

信託した実家を売却する際に知っておくべき重大な事実は、すべて把握できます。

信託契約を結ぶ前に、ぜひ最後までお読みください。

家族信託した不動産を売却する仕組みとローン残債のリスク

結論から言うと・・・

家族信託をしたからといって、実家がいつでも自由に売れるわけではありません

親の介護費用を捻出するために「実家を売却できる状態」にしておく為に必要な事は・・・

最初の契約の段階で設計する必要があるのです!

受託者(子)の権限で売却するための前提条件

「家族信託さえしておけば、親が認知症になっても私が代わりに家を売れる」

そう思いますよね?私も初めはそう思っていました。でも、それは勘違いなんです😮

厳しい現実として知っておいて欲しいのですが・・・

信託契約を結んだだけでは、自動的に不動産が売れる状態にはなりません

それじゃぁ、何が必要かと言うと・・・

親(委託者)が認知症になった後でも、子(受託者)が代理で売買契約を結ぶために

事前に作成する信託契約書の中に「不動産の処分(売却)権限」を明確に記載しておく必要がある

もし、この一文が漏れているとどうなるか・・・

いざという時に実家を売れず、介護費用を工面するはめになってしまいます。

住宅ローン(抵当権)が残る実家を信託・売却する際の重大な事実

さらに厄介なのが、実家に「住宅ローン」が残っている場合です。

抵当権が付いている不動産を信託する場合、融資元の金融機関への「事前の承諾」が不可欠になります。

「親から自分に名義が変わるだけだから」

そんな軽い認識で無断で信託登記を行ってしまうと、ローン契約違反とみなされてしまう可能性があります。

最悪の場合、金融機関から残債の一括返済を求められるという重大なリスクが潜んでいるのです。

とら男
とら男
突然一括返済なんて言われたら、最悪です💦気をつけましょう

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この事実を知った時、家族信託の奥深さと、素人判断の怖さを痛感しました。覚えておいてください。

信託不動産の売却にかかる税金:誰が払い、どう申告するのか

さて、無事に不動産が売却できたとしましょう。ここで絶対に忘れてはならないのが、「税金」です。

ここでも私は、大きな勘違いをしていました。

譲渡所得税の納税義務者は受託者ではなく「受益者(親)」

「私が売買手続きをするんだから、税金の申告も私の名前でやるんだろう」

そう思っていませんか?実は、これ間違いなんです。

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、売買の手続き自体は受託者である私たち(子)で構いません。
しかし、税務上の利益はすべて「受益者(親)」に帰属するのです。

つまり、譲渡所得税の納税義務と確定申告の責任は、すべて親にあるという事実です。

「名義は子、利益は親」

この少し複雑な仕組みを理解しておかないと、いざという時の税務申告で「トラブル発生」になってしまいます。

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売却のタイミングで変わる「3,000万円特別控除」の適用可否

そして、私がリサーチしていて最も「危ない」と感じたポイントがここです。

結論から言うと、売却のタイミングが「親の生前」か「死後」かによって、数百万円単位で税負担が変わってしまう可能性があります。

親が健在のうち(信託期間中)に実家を売却する場合、要件さえ満たせば「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用可能です。これは、とても大きな節税効果を見込めるので魅了です。

しかし、問題は「親の死後」に売却する場合です。

親が亡くなって信託が終了し、子が財産を引き継いだ後に売却しようとすると・・・
「相続による取得」ではなく「信託終了による取得」とみなされてしまうのです。

その結果どうなるかというと、

『相続空き家特例(3,000万円特別控除)』が適用されません!

とら男
とら男
特例が使えないだけで、税金が何百万円も跳ね上がってしまうので要注意です💦

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売却のタイミング一つで、手元に残る資金が全く違ってきます。

「とりあえず信託しておけば安心」ではなく、「最終的にいつ売却するか」という出口戦略まで緻密に練っておく必要性を、私は痛感しました。覚えておいてください。

売却代金の管理と買い手との取引に関する実務ポイント

税金やローンの問題をクリアし、いざ不動産を引き渡す時。ここでも、受託者としての責任が問われる重要な実務ポイントがあります。

売却代金は個人の口座ではなく「信託口口座」へ

家を売却して得た大きなお金。
これを、間違っても「自分の生活用の口座」に入れてはいけません。

不動産の売却代金は、必ず「信託口口座」へ入金して分別管理しなければなりません。

受託者である私たち個人の財産と、親の大切な財産を混同しないためですね。

そして、その信託口口座に入った資金は、あくまで親の介護費用や施設入居費など、「信託目的」に沿ってのみ使用されます

「名義が自分だから、お金も自由に使える」なんてことは絶対にありません。徹底した透明性が求められます。

不動産業者や買い手との取引における受託者の役割

実務的な話を少しだけします。

家族信託をした不動産は、登記簿上の所有名義が「受託者(子)」となっています。
ですから、不動産業者との媒介契約や、買い手との売買契約の当事者は、親ではなく私たち受託者になります。

その際、買い手や業者に対して「これは信託財産である」ということを証明するため、信託目録の提示などを適切に行う必要があります。

とら男
とら男
大きな契約の矢面に立つのは、やっぱり緊張しますよね💦

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親の代わりに不動産取引の矢面に立つ。その責任をしっかりと理解した上で、法的に問題なく実務を進めていかなければいけません。

不動産売却のリスクを把握し、安全な家族信託を(まとめ)

いかがでしたでしょうか?

今回は「信託した実家を売却する際の実務とリスク」に焦点を当てて解説しました。

  • ローンが残っている場合は、金融機関への事前の承諾が不可欠
  • 譲渡所得税の納税義務は、受託者(子)ではなく受益者(親)にある
  • 売却のタイミング(親の生前か死後か)で3,000万円特別控除の適用が変わり、数百万円の差が出るので要注意
  • 売却代金は個人の口座ではなく、必ず「信託口口座」で分別管理しなければいけない

不動産の売却だけでも、これだけの落とし穴が潜んでいます。事前の契約設計が、いかに重要かお分かりいただけたかと思います。

家族信託で実印を押す前に、絶対に知っておくべき”防衛策”

もちろん、家族信託を安全に運用するために越えるべきハードルは、「不動産の売却実務」だけではありません。

「親族間での合意形成不足による骨肉の争い」
「損益通算禁止など一般的な税務の罠」
「銀行での信託口口座の開設拒否」

現場で、契約前の段階で多発している様々なトラブルが存在します。これらに対しても、事前に備えておく必要があります。

家族信託の契約書に実印を押す前に、最悪の事態を避けるための「トラブルの全体像」と「絶対に知るべき共通の防衛策」について、以下の総論記事でも説明していますので、あわせてお読みください。

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会社概要
商標名 おやとこ
会社名 こころのカンパニー株式会社
(旧トリニティ・テクノロジー株式会社)
資本金 18億2988万円
グループ企業 ■司法書⼠法⼈トリニティグループ
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