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家族信託は、結んだ後から無効!と裁判を起こされることがある
親の認知症対策として家族信託を調べていると、「親が元気なうちに契約書さえ作っておけば安心」という情報をよく目にします。
私も最初はそう思っていました。
でも、実際に調べていくと、せっかく親と話し合って結んだ契約が、後から親族に「その契約は無効だ」と裁判を起こされるリスクがあることがわかりました。
「家族間で裁判なんて、ドラマの話でしょ?」
そう感じる方も多いと思います。しかし調べてみると、これは決して他人事ではありません。
この記事では、私がリサーチの中で見つけた実際の裁判判例と、そこから学べる具体的な事前対策を、法律の専門家ではない私たちでも理解できるよう、まとめてみました。
- 家族信託が「無効」になる最大の原因は、親の「意思能力(判断力)」の問題である
- 実際の裁判では「意思能力の欠如」「遺留分の侵害」「専門家の説明義務違反」の3つが主な争点になっている
- 裁判リスクを防ぐ鍵は「第三者による証拠の記録」と「実務に強い専門家の選択」の2点が重要である
この記事を読めば「なぜ家族信託が無効になるのか」「どうすれば裁判沙汰を未然に防げるのか」について、具体的な答えが見つかります。契約書に実印を押す前に、ぜひ一度確認しておいてください。
家族信託が無効となる裁判リスク:「親の判断能力」が最大の争点に
親の認知症対策として家族信託を調べていく中で、私が一番「恐ろしい」と感じた事があります。
それは、せっかく親と話し合って結んだ契約が、後から「その家族信託は無効だ」と裁判を起こされるリスクがあるということです。
「家族間で裁判なんて、テレビのドラマの話でしょ?」
私も最初はそう思っていました。でも、実際に調べてみると、これは決して他人事ではない現実だったのです。
契約時に求められる「意思能力」の厳格な基準
そもそも家族信託は、親(委託者)と子(受託者)の間で結ばれる厳格な「法的な契約行為」です。
そのため、大前提として絶対に崩せない原則があります。それは・・・
親に意思能力があるうちしか、契約できない
ということ。ここで言う「意思能力」というのは、単に自分の名前が言えるとか、日常会話ができるというレベルの話ではなく・・・
- 自分が自分の財産をどうしたいのか
- この契約を結ぶことで法的にどうなるのか
を正確に理解できていて、それを自分の口で説明できる能力が求められるのです。(もちろん法律家ではないので「ある程度」でかまいませんが)
もし、契約の時点で親にこの意思能力が無いと客観的に判断された場合は・・・
その家族信託の契約は法的に無効になってしまう
というリスクがあるのです。
『意思能力の欠如』が親族間のトラブルを引き起こす引き金に!
では、なぜ意思能力の有無が、親族間での裁判にまで発展してしまうのか、まとめてみます。
それは、認知症の症状が見え隠れするギリギリの時期に契約を急いだ結果、後になって別の親族からこう疑義を突きつけられる場合です。
「お父さんは当時、契約の内容なんて理解していなかったはずだぞ!」
当事者である親と私(受託者)の間では、しっかり納得して契約したつもりでも、他の兄弟姉妹はそんな事は知りません。これが問題の引き金です。
例えば将来、実家を売却して介護費用に充てようとしたタイミングで、他の親族から信託契約の無効を主張され、訴訟を起こされるケースが実際に多数存在します。
自分では良かれと思って行った行為が、逆に、実家の資産凍結や、親族間の争いを引き起こす原因になってしまうのです。
このリスクを知ったことで、契約を急ぎすぎてはいけないんだな!という事を学びました。もちろん、急ぐ必要はありますが。
【裁判事例】家族信託を巡る無効訴訟や損害賠償の判例
「そうは言っても、裁判になるなんてごく一部の特殊なケースでしょ?」
正直に言います。私も最初はそう思って、どこか他人事のように捉えていました。
でも調べていくうちに、過去の裁判の記録(判例)をいくつか見つけました。
そこで分かったのは、どのケースも
どこの家庭でも起こり得るちょっとした意思のすれ違い
が発端でした。
特に私が「これは気をつけるべきだ」と感じた3つの裁判事例をシェアします。
【判例①】親の明確な「意思表示」が確認できず無効に(横浜地裁 令和5年)
まず1つ目は、「本人の同意」に関する判例です。
親の財産を管理するために家族信託を組んだものの、後になって別の親族から「お父さんは本当に契約の内容を理解してハンコを押したのか?」と訴えられたケースです。
結果はどうなったか。裁判所は・・・
「本人が本当に納得して契約したか確認できない」として、契約を無効と判断
「親のためを思って」という子供側の誠意は関係ありません。客観的に見て「親が自分で判断して同意した」という証拠がなければ、いくら立派な契約書を作っても白紙に戻されてしまうという現実です。
【判例②】「他の兄弟の取り分」を無視して無効に(東京地裁 平成30年)
2つ目は、相続の「遺留分(いりゅうぶん)」を巡るトラブルです。
(*遺留分とは、残された家族に最低限保障されている財産の取り分のことです)
特定の子供にだけ都合の良いように財産を引き継がせる内容で契約した結果、他の兄弟の取り分を奪うことになり、「法律の基本的なルールに反している」として契約の一部が無効とされたケースです。
私のような長男の立場で考えてしまうと、これは本当に気をつけなければいけない事例です。
自分が親の面倒を見るんだから、自分の裁量で進めて何が悪い!
もしそんな独りよがりな考えで突っ走ってしまったら、後から他の兄弟姉妹に確実に訴えられます。良かれと思った手続きが、かえって家族の争いの火種になってしまうのです。
【判例③】専門家を信じたのに!「説明不足」で損害賠償(東京地裁 令和3年)
そして3つ目。私が一番驚いたのがこれです。
「家族信託は難しいから、プロである専門家に任せれば安心だろう」
普通、そう思いますよね?
でも、このケースでは、専門家に依頼して契約を済ませたのに、その後いざ銀行に行ったら「信託専用の口座」の開設を断られ、お金も借りられなかったのです。
怒った依頼者は、「口座が作れないかもしれないリスクを事前に説明しなかった」として専門家を訴え、結果的に専門家側が損害賠償を払うことになりました。
依頼するプロを選ばなければいけませんね!
この事例から私が学んだのは・・・
という事実です。
良いことばかりを語り、こうした「実際のトラブルやリスク」を事前にしっかり説明してくれない専門家に依頼するのは、危険だと痛感しました。この点を気をつけなければ危ないですね。
私が痛感した、裁判沙汰を防ぐための客観的な事前対策
私たちのような一般の家族が、こうした裁判沙汰に巻き込まれないためにはどうすればいいのでしょうか。
それは
- 後から誰が見ても文句が言えない客観的な証拠を残すこと
- 信頼できる専門家を見極めること
の2点を抑えることです。
【対策①】契約時の意思能力を「客観的証拠」として残す
1つ目は、一番の争点になりやすい「親の判断能力」に関する対策です。
親と私(受託者)だけで「お父さん、まだしっかりしてるから大丈夫だよね」と話し合って契約しても、他の親族から見れば何の証明にもなりません。
将来、「あの時はもう認知症が始まっていたはずだ!」と疑われないためには、次のような対策が有効です。
- お医者さんの診断書をもらう:契約する時期に、親がしっかりと物事を判断できる状態であるという診断書をもらっておく。
- 公証役場(こうしょうやくば)で契約する:身内だけで契約書を作るのではなく、「公証人」という公的な立場の人の前で、親が自分の口で内容を説明し、それを正式な記録(公正証書)として残す。
このように、「お医者さん」や「公証人」といった第三者の目を入れることで・・・
「あの時、親は確かに自分で判断して契約した」という強力な証拠
を作ることができます。
【対策②】耳の痛いリスクまで隠さず説明してくれる専門家を選ぶ
2つ目が、専門家の選び方です。
前の段落の「判例3」でもお伝えした通り、家族信託の書類を作れる専門家が、必ずしも銀行とのやり取りなどの「実際の手続き」に慣れているとは限りません。
ホームページに「家族信託でスムーズに財産管理!」といったメリットばかりを並べている専門家には注意が必要です。本当に実務の経験が豊富な専門家であれば、必ず次のような話をしてくれるはずです。
- 他の兄弟の取り分(遺留分)について、後から揉めないように話し合っていますか?
- 信託専用の口座を作るのは、今の銀行の審査ではかなり厳しいですよ
このような・・・
耳の痛いトラブルやリスクを、あえて事前に突きつけてくれる専門家
を選ぶことが、後々の裁判沙汰を防ぐための最大の防御になります。
まとめ:家族信託の裁判リスクと、契約前に知っておくべき対策
この記事では、家族信託が「無効」になる裁判リスクについて、実際の判例をもとに整理してきました。
改めて要点をまとめると・・・
- 家族信託は法的な契約であり、親に「意思能力」がなければそもそも成立しない
- 意思能力が証明できなければ、後から親族に無効を訴えられるリスクがある
- 他の兄弟の取り分(遺留分)を無視した契約内容は、裁判で無効になる可能性がある
- 専門家に依頼すれば安心ではなく、リスクを事前に説明してくれる専門家を選ぶことが重要
- 契約時の親の判断能力を、医師の診断書や公正証書という形で客観的に残しておくことが最大の防衛策になる
ただ、こうした裁判リスクへの対策は、家族信託を安全に進めるための準備の一部に過ぎません。
実際に手続きを調べていくと、信託口口座の開設を銀行に断られる問題や、不動産を巡る税務上の落とし穴など、個人の努力だけでは避けにくいトラブルが他にも数多く存在しています。
契約書に実印を押す前に、現場で起きているトラブルの全体像を把握しておくことが、後悔のない家族信託への近道です。
以下の関連記事に、私が調べた「現場で多発するトラブルと防衛策」をまとめていますので、あわせて確認してみてください。
はじめに:情報は集まった。でも、全く動けない・・・ 深夜、スマートフォンの画面を見つめながら、そう気づいた夜がありました。 「家族信託」「後悔」「失敗」——検索窓に入力するたびに、不安を煽る記事が次々と出てきます。読めば[…]
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| 会社概要 | |
| 商標名 | おやとこ |
| 会社名 | こころのカンパニー株式会社 (旧トリニティ・テクノロジー株式会社) |
| 資本金 | 18億2988万円 |
| グループ企業 | ■司法書⼠法⼈トリニティグループ ■弁護⼠法⼈トリニティグループ ■⾏政書⼠法⼈トリニティグループ |
